手軽なピーリングですが、本格的に研究が始まったのは100年ほど前からです。
はじまりは、
1882年
今から100年以上の昔、ドイツの皮膚科医 P.G.Unna (ウンナ)がフェノール酸、サリチル酸(BHA)、トリクロール酢酸(TCA)、レゾルシノールについて、医学的に書いたのが初めてのケミカルピーリングの登場となります。
ピーリングがニキビ等の治療に使われ始めるのは、1900年代になってから。
まずは、一番強い強酸を用いているフェノール酸から歴史が始まります。
1903年
ニューヨーク大学の教授になったイギリスの皮膚科医 G.E.Mackee (マッキー)はフェノール酸を使った、ニキビ跡の治療を開始。
1952年に、その研究成果について発表します。
そして、第一次世界大戦中 フランスのラグッセ博士らによりフェノール酸がやけどの治療に使われ、かなりの成果をあげたと言われます。
1930年から40年代
そのラグッセ博士の娘、アントワネットがアメリカ、ロサンゼルスで本格的にフェノール酸のピーリング始めます。
アントワネットのフェノール酸によるケミカルピーリングはアメリカで話題になりましたが医師免許を持っていない為、治療としてのピーリングは行えず、医者からは関心を持ってもらえませんでした。
1940年代後半から50年代初め
マスメディアで取り上げられ、アメリカでフェノール酸によるピーリングがブームになります。
1960年
BakerとGordonがアメリカの形成外科学会において、フェノール酸を使ったピーリングの前後の写真を発表。この事が話題となり医学の世界でピーリングが一つの治療法として認められるようになります。
そして、1960年代にはフェノール酸によるピーリングはほぼ現在の形となります。
フェノール酸は強酸を用いたものですが、その後、トリクロール酢酸(TCA)の開発が進みます。歴史はフェノール酸が治療に使いはじめられた、1900年代初頭まで少し戻ります。
1906年
現在のピーリングの一つトリクロール酢酸(TCA)が治療に用いられます。しかし、このトリクロール酢酸(TCA)は 1980年代まで一般の人々には浸透しませんでした。
1945年
モナッシュ医師がトリクロール酢酸(TCA)を用いたピーリングを発表をします。
1960年
カリフォルニアのエアーズが紫外線ダメージに対するトリクロール酢酸(TCA)の効果について研究する。
1976年
レズニックによりトリクロール酢酸(TCA)を用いたピーリングを完成させます。
この様に、フェノール酸、トリクロール酢酸(TCA)は、同じ時期に研究が進みます。そして1980年代まで同じように研究が進みますが、100年近くもの長い間は、フェノール酸を中心にピーリングが行われていました。そして、AHAの登場です。
1970年代後半に入ると、
現在のピーリングの中心であるAHAをVan Scott(スコット)とYu(ユウ)らが研究を始めます。
1984年頃
AHAが浅いピーリングとして使われ始められますが、AHAがピーリング剤として認可されたのは 1990年代になってから。このAHAは手軽なピーリング剤としてアメリカでブームを起こします。
1994年
日本の厚生省認可。日本で本格的なピーリングが始まります。
1997年
日本のピーリングブームは、有名な人気歌手が火付け役となり、AHAによるピーリングをマスコミにアピールしたためと言われています。
ごく最近のスキンケア方法と思われがちですが、ピーリングの歴史を見れば、クレオパトラの時代からだと考えると、結構意外で、身近なスキンケアから始まったのが分かりますね。 |
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